田辺市熊野ツーリズムビューローが運営する日・英の旅行予約サイト『
KUMANO TRAVEL』をご利用いただいたお客様に、インタビューを実施しました。
アメリカ在住のニコラス・ジョスペ氏とキャサリン夫人から届いた、お客様の生の声を紹介します。

<以下、キャサリン夫人の回答を翻訳>
【質問1】今回の旅行では、どこを訪れましたか?
【回答1】まず東京に着いて、そこで一泊しました。翌日、新幹線に乗って大阪に行き、高野山へ。
宿泊手配はもちろん、バスの乗り継ぎ方法に至るまで、田辺市熊野ツーリズムビューローが手配してくれた「
KUMANO TRAVEL」のプランは最高でした。
高野山、田辺、湯の峰、本宮、小口(小雲取越・大雲取越ルートの中継地点)、紀伊勝浦における宿はどれもよかったです。
その後、京都にも4泊しました。
【質問2】なぜ今回の旅に紀伊半島(高野山・熊野)を選んだのですか?
【回答2】40年ほど前に買った古本を読んで熊野古道のことを知ったんです。それで、もっと日本の精神世界について知りたいと思いました。
2005年の初来日では美しい日本アルプスに登ったので、今回は関西での山登りを楽しめればと考えていたのですが、京都で修学院を訪れてみて、もっと仏教・神道などについて学びたいと思うようになりました。
【質問3】多くの外国人観光客は、東北大地震の後に日本への旅行の予約をキャンセルしたようですが、それでも旅行に来られた理由は何ですか?
【回答3】京都にいる知り合いから、西日本では地震による影響や問題は全くないということを聞きました。
それはまるで「カリフォルニアで地震が起きているからニューヨークには行かない」と言っているのと同じようなものだと。
ですから、日本へ旅行に行って、私たち、つまり外国人観光客が現地で消費をすることが、今の日本を支援するひとつの方法になるかもしれないと考えたのです。
【質問4】旅行中、東北大地震の影響による不便はありませんでしたか?
【回答4】いいえ。地震に関することといえば、東京で赤十字の募金箱を目にしたこと、ホテルで節電のお知らせと謝罪の掲示があったこと、あとは電車が何本か運転見合わせになったことなどでした。
ただ、ひとつ話しておきたいことがあります。
東京での二日目の夜、私たちは新宿のホテルの、20階の部屋に泊まっていました。
部屋に居た私は突然揺れを感じ、部屋にある物も揺れ始めました。
その時私は「建物から避難した方がいいですか」という日本語すら知りませんでした。
しかし慌てて部屋から出ると、私の拙い日本語と身振り手振りに気付いた一人の日本人男性が、携帯を取り出し、私に見せてくれました。
その画面には英語で、日本地図の上にマグニチュードの規模が表示されていました。
東京はわずかマグニチュード3で、マグニチュード6と表示されているのは、東京から遥か遠く離れた東北地方でした。
その瞬間、言葉は分からなくても、彼の表情や身振りにどれほど安心したか。
地震に関するニュースを見るたびに衝撃を受けるけれど、大事なのは普段と変わらずにいることだと思います。平常心でいることが大切だと。
【質問5】多くの外国人旅行者が震災後、この時期の日本旅行は危険だから、あるいは、こんな時に旅行するのは無神経で、現地で歓迎されないのでは、などの理由で予約をキャンセルしたようです。
旅行中、安全面で不安を感じたり、あるいは現地で歓迎されていないと感じることはありましたか?
【回答5】全くありませんでした。それどころか、熊野古道を移動中、私たちはとても温かく受け入れてもらいました。
本宮では、私たちの宿の主人は「日本に来てくれて本当にありがたい。」と言ってくれました。さらに那智の滝に行ったときも、ある日本人男性が私たちの来訪を喜んでくれ、私たちは地震による被害の重さや悲しみを共に分かち合いました。
多くの日本人旅行者の方々は、自粛することなく、この重要な文化遺産(熊野)を訪れていました。
しかし、だからといって、その日本人旅行者が災害の犠牲者に対して無関心であるとは決して言えないと思います。
重要文化財を訪れることが無神経なのではなく、むしろ彼らは、旅行をすることで自国のために何か貢献できれば、と考えているのだということを、その時私たちは確信しました。
【質問6】今回の旅行で一番印象に残ったことを教えてください。
【回答6】まず高野山での思い出ですね。フレンドリーなお坊さんが英語で行ってくれたガイドツアーや、昔話をユーモアたっぷりに聞かせてもらったこと、朝のお勤めに参加したことなどです。
湯の峰温泉の宿では、給仕をしてくださる方の素晴らしいおもてなしに感動しました。
英語のメニューを指さしながら、ひと皿ずつ英語で説明してくれ、私たちはゴージャスな気分に浸ることができました。
温泉は最高。サウナがあったり、お風呂のあとのアメニティが充実していましたね。
あと、温泉では、知らない客同士が裸になってお喋りしているのが普通であったりする。そんな日本人女性たちの中にいる時間がとても楽しかったです。
本宮では例大祭に参加しましたが、特に、皆がジャンプしながら神輿をかついでいたのが素敵でした。お祭りというのは、万国共通のものですね!
小口では、民宿に泊まりました。民宿の料理は、高級な懐石料理にも匹敵する内容で、民宿の方々は私達の片言の日本語に熱心に耳を傾けてくれ、日本語の勉強にもなりました。
杉林はまるで壮大な建築物のようでした。その美しさは言葉にすることができません。
私が「O-Doori Bird※」と呼んでいる鳥の鳴き声が、木漏れ日が射す森の中を、遺跡をすり抜け、1300年続く巡礼道に長く響きわたりました。
※日本で買った切手にも描かれていたこの鳥について、本宮の観光協会で尋ねたところ、彼らはインターネットで調べてくれ(なんと親切な人たちでしょう!)、議論の結果、それは「オオルリ」ではないかということでした。
ともかくその鳥は、"O"の音で始まる名前で、何かの旋律に似た聞いたこともないような美しい鳴き声を発するんです。
また、結婚式やその他いろいろな式典に立ち会うことができました。
お寺では何度かお経を聞くことができ、さらに、京都・西芳寺にて、ちょっとした儀式や写経も楽しみました。今では、神道についての理解がより深まったように思います。
最後に、一番印象に残ったことではありませんが、私達が旅行中、余所者としての扱いを受けなかっただけでなく、むしろ歓迎されたことで、とても温かい気持ちになったことを付け加えておきます。
【質問7】熊野古道を、何日かけて歩きましたか?また、その感想を聞かせてください。
【回答7】私たちが歩いたのは3日間だけです。
○湯の峰温泉〜発心門王子の赤木越・・・5時間(とても美しい!)
○湯の峰温泉〜熊野本宮大社の大日越・・・1時間
○本宮〜小口の小雲取越・・・6〜7時間(特に急いだり、ゆっくり休憩を取ったりもしなかったが、実際の所要時間はガイドブックより遥かに短かった。やった!)
○小口〜熊野那智大社の大雲取越・・・7.5時間(とても急な坂道だったが、時間がかかったのはその勾配のせいではなく、景色があまりにも奇麗だったから!)
想像してみてください。かつて茶屋のあった場所を通り過ぎ、蛙たちが春のシンフォニーを奏でるのを聴く。
桃色の雲に覆われた山々、そして咲き誇るツツジ。
竹林をわたる風音に耳を傾け、そよ風に踊るカエデを見る。
これは、自然との対話なのです。
もしかすると熊野の森の中では、道ばたでひっそりとたたずんでいるお地蔵さんが囁きかけてくるかもしれないし、あるいは観音や薬師や阿弥陀などの神々がお茶でも飲みながら神聖な会議をしているかもしれない!
【質問8】滞在中の食事には満足されましたか?
【回答8】とっても!
【質問9】手配を担当した田辺市熊野ツーリズムビューローは、あなたの旅行に役立ちましたか?
【回答9】まったく、その通りです!
【質問10】高野山や熊野を訪れる人々は、どういった方が多いと思われますか?
【回答10】自然が大好きで、神秘的なものに関心があり、好奇心旺盛な方が多いと思います。
【質問11】ご友人やご家族に、熊野・高野山への旅を勧めたいですか?
【回答11】ええ、もちろん。さきほどの質問でも回答しましたが、体力がなくても、高野山では厳しい修業を要求されることはないですし、他にも興味深いことがたくさんあります。
湯の峰温泉は皆に愛されているし、古道歩きをしない人も、温泉だけを楽しめばよい。食事やおもてなしも素晴らしいです。
そして、那智は、バスを使えば1日で周ることができます。
【質問12】これから旅行を計画されている方に、アドバイスや助言をするとすれば何でしょうか。
【回答12】私たちは、二週間の旅行で必要なものをすべてバックパック一つにまとめて移動しました。
(雨カッパやウールの帽子、フリースなど。この他に、春用の手袋があればもっとよかったかもしれない。)
街歩き用の服は最小限に抑えましたが、それでもバックパックがかなり重くなってしまいました。
次回は、街歩き用と山歩き用の荷物を分けておいて、使わないものを先に郵送したり、コインロッカーを利用するなどしたいと思います。
たくさんの旅行者が日本語や日本文化を学ぼうとしていますが、何より大切なことは、現地で実際に見て聞いて、体験することだと思います。
言葉は、そこに行って「なんとか伝わる」程度で十分だと思います。
(礼儀をわきまえ、方向を尋ねることができ、感謝の気持ちを伝えられ、わからないことはわからないと言える。)
私は少しでも快適に過ごすためにカタカナを勉強しましたが、それも特に必要というわけではないでしょう。
2011年4月28日 キティ・ジョスペより
<以上>
インタビューに対して、詳しい回答とうれしい感想を寄せていただいたキャサリン・ジョスペ夫人に、心より感謝いたします。
ありがとうございました。